【子どもの問題行動や非行の原因】親子関係や家庭環境が圧倒的に多い

子どもの問題行動や非行は、どのような家庭であっても起こりうることです。

一般的には、貧しい家庭で育つ子どもの方がグレやすいと言われています。しかし、貧しい家庭で育ったにも関わらず、道を踏み外さず、努力を重ね、社会で成功して幸せに暮らしている子どももいます。

一方で、裕福な家庭で何不自由なく育ちながらも、悪い仲間とつるんで暴力に明け暮れたり薬物に手を出す子ども、また引きこもりで社会との生活を遮断してしまう子どももいます。

では、なぜ子どもが問題行動を起こしたり、非行に走るのでしょうか?

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子どもの問題行動や非行の大きな原因

子どもの問題行動や非行の原因の大半は、親子関係や家庭環境に問題を抱えているケースと言われています。

なぜなら、親子関係、兄弟姉妹、祖父母などの家族間に問題があると、子どもの心が休まる場所がないからです。

当然ながら、早くても義務教育を卒業するまでは、一人暮らしをして自立できるほどの経済力はありません。

親子関係が悪かろうが、家族とトラブルを抱えていようが、家から出ることが難しいです。

そのため、自分の居場所を作ろうとして、夜の街へ出かけたり、家に引きこもって外部との接触を遮断します。

子どもは幼いながらも、自分の心が壊れないように必死に守ろうとするのです。

つまり、子どもが問題行動を起こしたり、非行に走るのは、周りに対して自分の苦しさに気づいて欲しいというSOSなのですね。

このSOSに早めに気づく、または放置せずに子どもと真剣に向き合い続けることで、多くの子どもが道を踏み外さずに済みます。

それでも、一部の子どもは親子関係の悪化や家庭内の問題などで、問題行動や非行がエスカレートしてしまいます。

では、子どもとの親子関係、または家族間の問題はどのようにして生まれるのでしょうか?

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親子間や家族間で問題が起きる例

子どもと親子間や家族間で問題が起きるのは、次のようなことが原因です。

問題が起きる原因
  • 親が子どもに過剰な期待をする
  • 親が子どもに口を出し過ぎる
  • 親が子どもに無関心である
  • 家族間で暴力が日常化している
  • 親が他の子と比較する
  • 何かと兄弟姉妹と比べる
  • 親が子どもになめられている
  • 夫婦仲や家族仲が悪い

それでは、順番に見ていきましょう。

親が子どもに過剰な期待をする

裕福な家庭や優秀な子どもを持つ家庭に多いのが、親が子どもに過剰な期待をしてしまうというもの

親が優秀で社会的に成功していると、子どもにも当然のように期待します。

しかし、子どもの才能や能力は千差万別で、勉強やスポーツが苦手な子どもがいるのは当たり前です。

それは、親が勉強ができたり、スポーツ万能でも例外ではありません。

それなのに、子どもが自分の期待に添えないと「何でできない!」と怒鳴ったり、暴力を振るって人格を否定してしまいます。これでは子どもはグレても仕方がありません。

反対に、親が勉強やスポーツに苦手意識があり、子どもにだけは苦労させまいと、英才教育を施して失敗するケースも多いです。

自分が苦しんだ分、出来ない子どもの気持ちは分かりますが、自分のようにならないようにと、無理な指導をして子どもが悲鳴をあげてしまうのですね。

子を思う親の思いが、間違った方向にむかってしまい悲劇を生む典型的な例です。

これらのケースは皆、子どもが辛くても、もっともっと頑張れと尻ばかりを叩いて子どもの気持ちを考えないため、子どもに恨まれる可能性が非常に高いでしょう。

親が子どもに口を出し過ぎる

親が子どもに口出しをし過ぎてしまうのも、親子関係が悪化して子どもがトラブルを抱えるよくある例です。

親が良かれと思って子どもに口出しをする場合と、子どもを自分の所有物のように考えている場合があります。

子どもがつまづかないように、必要なアドバイスをするのは問題ないでしょう。

しかし、あれもこれも口を挟んでしまうと、子どもの自立心が育ちません。また子どもが選んだものを否定ばかりしていると、子どもは自信を失ってしまいます。

子どもなので失敗するのも自然なことですし、失敗したらもう一度チャレンジさせてあげれば忍耐力や心の強さも養われます。

あえて口を出さずに見守るというのも大切なことなのではないでしょうか。

親が子どもに無関心である

親が子どもに無関心な家庭も、子どもが非行に走ったり、引きこもりになる原因と言われています。

ネグレクト(育児放棄)も子どもへの無関心から起こります。

子ども以外に夢中になっているものがある、子どもを愛せない親に多いです。

親が子どもに無関心でも、子どもが親に無関心というのは何か疾患を抱えていない限りは基本的にあり得ません。

子どもは親がいなければ生きていけず、頼りにするのはまず身近な親だからです。

親からの愛情を受けることができないと、子どもは精神が不安定になります。親の気を引こうとして、問題行動を起こすのです。

以前テレビ朝日のスーパーJチャンネルで放送された、こちらの家族をご覧ください。

この動画に登場するお母さんは体が弱く、止む負えず生活保護を受けている状況なので、一概に子どもに無関心とは言えません。

ですが、子どもを学校に通わせず、実際に子どもが非行に走ってしまいました。今ではこの動画に登場する不良少年は公正し、社会で活躍しています。

家族間で暴力が日常化している

家族間で暴力が日常化していると、子どもは問題行動を起こしたり、非行になりやすいです。

例えば、日常的に親が子どもを叩いたり、蹴ったりしている場合、子どもが苦しさを内側に向けると自傷行為や引きこもり、外側に向けると非行へと走るようになります。

親が子どもに暴力を振るうのは、親も同じように暴力を振るわれて育てられた過去があるというケースが多いです。まさに負の連鎖ですね。

しかし、自分がやられていたからと言って、自分も同じように子どもに手を出してはいけません。

また、親ではなく、兄弟姉妹や祖父母に暴力を振るわれるということもあるでしょう。これも直ちにやめさせなければなりません。

暴力には、言葉の暴力、性暴力なども含まれます。

そして、暴力を振るわれた子どもも暴力を振るうようになったり、格闘技を覚えて復讐される恐れがあります。

全ての暴力は憎しみしか生みませんし、いずれは自分が暴力を振るわれる立場になる可能性が高いので、絶対にやめるべきです。

親が他の子と比較する

親が他の子どもと比較するのも、子どもに苦痛を与えて問題行動を起こすことに繋がることがあります。

特に、周りの子どもを褒めて、自分の子どもを否定することは、子どもの心に深い傷をつけてしまいます。

私たち大人でも、他人と比較されるのはイヤなもの。それなのに、幼く弱い子どもの心では、耐えられないのは当たり前です。

人間はそれぞれ個性、持ち味、才能が違います。他人と比較して、刺激を受けてやる気になる子どももいれば、逆効果になる子どももいます。

勉強が苦手だったり、好きでない子どもに、勉強の好きな子どもと比較させるのは可哀そうです。人間何かしら光る魅力を持っているものですから、そこを伸ばせば良いのですから。

ですから、子どもの個性を見ながら、できるだけ他の子と比較しないで育てた方が良いように思います。

何かと兄弟姉妹と比較する

他の子どもと比較するよりも、もっと子どもを苦しめてしまいがちなのが兄弟姉妹で比較することです。

他の子どもとの比較でしたら、学校を卒業したり、疎遠になれば比較されることもなくなります。

しかし、兄弟姉妹で比較するのは、生きている限りずっと続きます。

「お兄ちゃんはあんなに優秀なのに」「妹はこんなに美人なのに」と自分を否定されるような言葉をかけられたり、待遇に差をつけられたりすれば、反抗的になるのも当然です。

他の子と比較するよりも、兄弟姉妹を比較するほうが、あまり悪い事ではないと考えている親も結構います。

また、親以外にも、祖父母や親戚の人に比較されたりすることもあります。

人と比較されて気分が良くなる子どもは基本的にいません。比較されることが刺激となってやる気になる子はいても、それは子どもをやる気にさせる方法として、正しいとは言えません。

親が子どもになめられている

親が子どもになめられていると、子どもが問題行動や非行に走るのを止めることができません。

親が子どもになめられる原因はいくつかあるでしょう。

  • 親として恥ずかしい生き方をしている
  • 子どもに対して後ろめたい気持ちがある
  • 子どもにウソをついてきた
  • 子どもに親の威厳を見せることができない

子どもに対して、親はなめてはいけない存在と分からせるためには、叱るべき時にきちっと叱ったり、親が率先して子どもとの約束を守るなど、日頃の親の生き方を子どもに示しておく必要があります。

子どもが親をなめるのは、子どもの方が腕力で強いというだけではありません。

親が非力でも、子どもへの正しい愛情を注ぎ、何かあった時は子どもを守る姿勢を示して育てれば、子どもになめられるようなことはまずありません。

私の周りにも、病弱な父親を持つ子どもがいますが、子どもはお父さんを尊敬し、気遣うことができるなど立派に成長しています。

夫婦仲や家族仲が悪い

夫婦仲や家族仲が悪いのも、子どもの精神を不安定にさせる大きな要因になります。

例えば、日常的に夫婦喧嘩をしている、祖父母の悪口を言っている、兄弟ゲンカが絶えないなど、家族で傷つけあっていると、子どもは心の休まる時間がありません。

意外なのは、子どもが非行に走った時に、夫婦仲や家族仲が悪いことが原因だと知らない親が多いことです。

実は、子どもは子どもで親に気を遣い、ケンカをやめて欲しいと言えない場合もあるのです。

それが分からないと、自分の子どもが非行に走った原因が分からず、親子ですれ違ったままになってしまうでしょう。

人間なので、ケンカをすることもあるでしょう。私も感情的になってしまい、つい夫婦ゲンカを子どもの前で見せて反省することもあります。

もし、夫婦間や家族間でトラブルを抱えているのなら、早めに対処して子どもを精神的に不安定にさせない努力をしなければなりません。

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子どもの非行を未然に防ぐことが大切

子どもが問題行動を起こしたり、非行に走らないようにするためには、未然に防ぐ努力をすることが大切です。

子どもは非行に走る前に、いくつものSOSを出しているものです。非行に走ってしまってからでは、取り返しがつかないこともあります。

例えば、暴走行為で事故を起こしてしまう、薬物に手を出してしまってからでは、親は後悔してもしきれないと思います。

子どもが発すSOSに親や家族が気づいてあげて、その場で真剣に対処すれば、子どもが大きく道を踏み外すことはほとんどありません。

子どもの非行を未然に防ぐ方法については、下記の記事をご覧ください。

まとめ

今回は、子どもが問題行動を起こしたり、非行に走る大きな原因が、親子間や家族間の関係に問題があるということをお伝えしてきました。

子どもとトラブルになる例も紹介しました。もし、いま子どもとの関係が上手くいっていないお父さん、お母さんがいたら、心当たりがないかチェックしてみてください。

もちろん、親子や家族以外のことで子どもがグレてしまうこともあるでしょう。

しかし、親子関係や家族関係が良好ならば、子どもが一時的に道を踏み外しても、更生する可能性はかなり高いと言われています。

ですから、子どもがドロップアウトしないように、まずは健全な親子関係、家族関係を築くことが大切と言えるでしょう。

私も子を持つ親として、子どもとの関係に気をつけていきたいと思います。

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