香港の教育制度と特徴を詳しく解説!世界トップクラスの学力の秘密

今では学力ランキングで、世界トップクラスと言われる香港

世界の富裕層からも注目され、香港へ留学する子どもが増えています。

そんな今話題の香港では、日本と比べて教育制度や特徴にどのような違いがあるでしょうか?

例えば、義務教育期間、年間のスケジュール、学費、また超学歴社会と呼ばれるほどの教育事情など、香港の教育の実態を知りたいお父さん、お母さんはたくさんいるはずだと思います。

そこで、今回は香港の教育制度がどのようなものか、様々な情報を集め、日本との違いをまとめてみました。

まずは、香港の教育制度の概要を見ていきましょう。

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香港の教育制度

項目 内容
学校制度 6・3・3・4制
義務教育 6~14歳
学校年度 9月~翌年7月
学期制 3学期制

※学校によっては2学期制もある

学費 公立:無料

私立:有料 ※学校によって異なる

(参考:外務省 諸外国・地域の学校情報 香港

香港の義務教育

香港の義務教育は、6~14歳までの9年間です。

【香港の義務教育期間】

  • 小学校 :6~11歳
  • 中学校 :12~14歳

義務教育は小学校入学と同時に始まり、6年間の初等教育を受けます。

香港の公立の小学校は、日本の学区制ではありません。

公立の小学校は合格者選定がある

公立の小学校に入るためには、希望する小学校に入学申請書を提出しなければなりません。

そして、申請書の内容によって合格者が選定され、振り分けられるのです。

人気の高い小学校から枠が埋まってしまいます。

希望する学校が全て不合格だった場合は、国によって振り分けられます。

小学校を卒業したら、日本の中学校にあたる前期中等教育で3年間(S1~S3)学びます。

この前期中等教育までが義務教育になります。

香港の学校の様子は、下記の香港公共放送の動画でご覧いただけます。

https://www.youtube.com/watch?v=M_a3XMGLkag

香港は中高一貫が基本

香港では中高一貫が基本です。

公立学校では、中学校に進学する時に筆記試験はありません。

筆記試験の代わりに、「自行分配」と言う学校独自の基準で3割、そして「統一分配」と言う香港教育局が定める基準で7割の合否を決定します。

大学への進学率が高い学校から、入学者の枠が埋まっていきます。

一方で、私立学校は「自行分配」ではなく、それぞれの学校独自の基準で合否を決めています。

義務教育期間が終わると、日本の高校にあたる中学後期課程で3年間(S4~S6)を過ごします。

そして、進学を希望する生徒は、4年制の大学に通います。

香港の年間スケジュール

香港の学校の多くは、日本と同じ3学期制をとっています。

一般的には、下記のスケジュールとなります。

【香港の学期】

  • 1学期 9月1日~11月30日
  • 2学期 12月1日~2月28日
  • 3学期 3月1日~6月30日

中には、2学期制の学校もあります。

2学期制の場合は、一般的には1学期目が9月~翌年1月、2学期目が2月~7月になります。

ただ、1学期が8月スタートなど、学校によって1か月前後のずれがあることもあります。

香港の学費

世界でもトップクラスの学力を誇る香港。

香港の公立学校の学費ですが、義務教育の間は無料です。

教科書代、筆記用語、その他学校で使うものは各家庭で用意しなければなりません。

私立学校の学費は、香港政府が一部を負担し、残りを支払います。

ただ、インターナショナルスクールを含む私立学校は、年間の学費が200~400万円と、学校によって差があります。

特に、人気の高いインターナショナルスクールでは、高額な学費の他、学校から寄付金まで要求されます。

お金に余裕のあるセレブしか通えないような学校ですが、高校までエスカレーターで進学でき、高度な教育水準と国際色豊かな環境で学べるため、少ない募集枠に応募が殺到しているのが現状です。

しかし、高額なインターナショナルスクールばかりではありません。

香港政府が資金援助をしているESFというインターナショナルスクールは、他のインターナショナルスクールよりも学費が安いため人気が高いです。

ただし、ESFに入学する時には、英語力を問われるため、事前に学習しておく必要があります。

香港の国立、私立大学は、短大などを合わせても30校もありません。

毎年世界大学ランキングにも何校か名を連ねていますが、学費は年間約230~300万と高額です。

医学部や理系学部はもっとかかるようで、大学に進学するには学力の高さだけではなく、家柄の裕福さも必須のようですね。

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香港教育の特徴

香港の教育は、日本と比べるといくつか異なる特徴があります。

香港教育の特徴

  1. 学校がEMIとCMIに分かれる
  2. 競争激化の学歴社会

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

学校がEMIとCMIに分かれる

香港の学校には、次の2種類あります。

【EMIとCMIの違い】

  1. EMI:中国語以外の授業を英語で行う学校
  2. CMI:英語以外の授業を中国語で行う学校

EMI(English-Medium Instruction school)は、中国語以外の授業を英語で行う学校の事です。

広東語、北京語、英語のトリリンガルを目指す生徒が集まる、日本でいうところの進学校です。

EMIの基準として、生徒の英語の平均点が85点以上を維持しなくてはならないため、学力の高い生徒のみが集まる傾向にあります。

世界的にも有名な香港の大学に通う生徒のほとんどは、EMIの出身のようです。

CMI(Chinese-Medium Instruction school)は、英語以外の授業を中国語で行う学校の事です。

中国語には広東語と北京語があり、それらは発音だけでなく使用する漢字も異なるため、全く違う言語であるとされています。

世界で広東語を話す人口は約8千万人、北京語を話す人口は約13億人。

中国語といえば北京語であり、広東語は方言のような位置付けです。

香港教育省では、生徒の自己表現のしやすさを考え母国語で授業を行うCMIを推進しています。

ですが、香港の大学は基本的に授業がすべて英語で行われます。

そのため、CMIから大学に進学した生徒は、入学後いきなり始まるハイレベルな英語での授業についていけないという問題が生じてしまうようです。

競争激化の学歴社会

香港の学力は世界各国の中でもトップクラスで、「超学歴社会」と言われています。

香港には大学が少なく、国内でも特に成績優秀な生徒しか入学できません。

その狭き門に向けて、幼少の頃から勉学をさせ、レベルの高い小学校、中学校(香港ではほとんどが中高一貫)に入れようと、凄まじい教育競争が行われているのです。

日本とは異なり、小学校でもテストの点数が低いと落第になってしまいますし、小学校の時から内申書の内容が重視されています。

そういった背景から、香港では子どもの精神疾患が多い事でも知られています。

ドラッグに手を出す子どもや、自殺をする子どもの数が増加傾向にあり、社会的な問題になっています。

勉学も当然必要ですが、あまりに環境や生活が偏ってしまうのも危険だという事ですね。

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香港の学校生活

給食

香港の給食には下記の3種類あります。

【香港の給食】

  1. 家からお弁当を持参
  2. 保護者がランチタイムに合わせて配達
  3. 学校で注文

日本のように各自のお皿に配膳をしていくようなスタイルではなく、コンビニやお弁当屋さんで売られているような、使い捨て容器に入ったお弁当が配られます。

香港の学校の約4割が、毎日このようなお弁当給食です。

当然の事ながら、年間に出るゴミの量は相当なもので、環境破壊が懸念されています。

児童を対象にしたアンケート結果からも、使い捨て容器が環境破壊に繋がっている事は認識されていて、少しずつリユース容器の使用に変更されつつあります。

放課後の遊び方

香港の子ども達は、放課後あまり遊びません。

日本の子ども達は、学校が終わると校庭や公園でお友達と集まって遊んでいる姿がよく見られますよね。

香港の子どもが放課後に遊ばない理由は、シビアな学歴社会が背景にあります。

勉強や習い事で忙しいのです。

習い事はピアノやリトミック、サッカーや英会話スクールなど、日本と同じような教室が人気です。

ですが、成績に加味されるような資格のために習っている子ども達も多く見られます。

まとめ

ここまで、香港の教育制度について紹介してきました。

日本と比べると、香港では様々な違いがありましたね。

最後に簡単にまとめてみました。

まとめ
  • 公立の小学校入学が合格者選定で決まる
  • 中高一貫が基本
  • 香港の学校はEMIとCMIの2種類ある
  • 凄まじい学歴社会
  • 放課後は遊ぶ時間がほとんどない

公立学校でも小学校から合格者選定があるため、幼稚園を卒業するまでに学ぶことが多いのは、日本と大きく異なる点ですね。

また、国際社会で活躍するために必要な英語を、幼い頃からかなり力を入れていたり、大学が少ないため熾烈な競争が繰り広げられているため、香港がアジアでトップクラスの学力を誇っている要因になっているのが分かりました。

もし、子どもを連れて香港に住むことになったり、子どもが留学したいといってきた時に、参考にしていただけたら嬉しいです。

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