オーストラリアは、アメリカ、イギリスに次いで世界で3番目に留学生が多い国と言われています。
実に30万人の留学生が集まり、その人気は年々上昇しています。
留学生だけではなく、現地に家族で引っ越すケースも多く、オーストラリアは海外から多くの注目を集めています。
実際に、世界大学ランキングでは、メルボルン大学をはじめ、100位以内に6校もランクイン(日本は2校のみ)しています。しかも、オーストラリアの大学は日本の大学より圧倒的に少ない、にもかかわらずです。
世界で注目を浴びているオーストラリアで、どのような教育が行われ、子どもがどのように成長していくか、子を持つ親として私も非常に気になりました。
そこで、今回はオーストラリアでどのような教育が行われていて、どのような特徴があるかを、書籍や現地に住む友人知人への聞き込み等をもとに詳しくまとめてみました。
まずは、オーストラリアの教育制度の概要から見ていきましょう。
オーストラリアの教育制度の概要
項目 | 内容 |
---|---|
学校制度 | 【北部準州】7・6(3・3)制
【南オーストラリア州】8・5(3・2)制 【その他の州】7・6(4・2)制 |
義務教育 | 幼稚園年長(Prep)~中学4年生(Year10)までの11年間
※年齢は州により異なる |
学校年度 | 1月下旬(2月上旬)~翌年12月中下旬 |
学期制 | 4学期制 |
学費 | 公立:義務教育期間はオーストラリア国民や永住者は授業料が無料
※ビザの種類によって金額が異なる 私立:有料(費用は学校により異なる) |
学校制度
オーストラリアでは、州によって学校制度が3種類あります。
州 | 学校年度 |
---|---|
北部準州 | 7・6(3・3)制 |
南オーストラリア州 | 8・5(3・2)制 |
その他の州 | 7・6(4・2)制 |
初等教育(幼稚園年長~小学校卒業)が7~8年間。
中等教育(中学校と高校)は中学校が3~4年間、高校が2~3年間となっています。
オーストラリアでは、7月1日生まれ~翌年6月30日生まれが同じ学年になります。日本では、4月2日生まれ~翌年4月1日生まれが同じ学年です。
そのため、日本国籍の子どもで4月2日~6月30日生まれ場合は、オーストラリアに留学すると一般的に「日本より1学年上の学年」に転入することになります。
就学前教育は3種類
オーストリアでは、日本と同じで小学校に入る前に、就学前教育(Preschool)として幼稚園や保育園に通う子どもが多いです。
州によって年齢に違いがありますが、日本の幼稚園年中にあたる5歳までは義務教育ではありません。
就学前教育は下記の3種類あります。
チャイルドケアセンター | キンダーガーデン | ファミリーデイケア | |
---|---|---|---|
形態 | 保育園 | 幼稚園 | 保育士が自宅内で保育 |
対象年齢 | 0~5歳 | 3~5歳 | 0~12歳 |
保育料/1日 | 6,000円~16,000円 | 2,500円~6,000円 | 5,000円~12,000円 |
※保育料は1AUD(オーストラリアドル)=80円で計算。
チャイルドケアセンターというのが、日本の保育園にあたります。地域によっては、ロングデイケアと呼ぶところもあります。
一般的に0歳児から見てくれるところが多い分、やや保育料が高くなります。
日本の幼稚園にあたるのが、キンダーガーデンです。地域によっては、プレスクールとも呼ばれます。
受け入れ年齢は3歳~5歳で、保育園に比べると保育料は安くなります。
最後が、ファミリーデイケアと呼ばれるもの。こちらは、保育資格を持つ人が自宅で子どもを預かる日本人には馴染のないサービス。
多くが小規模の個人経営で、保育料もやや高めです。
特徴1.保育料は月額ではなく日額で計算
オーストラリアの保育料は、月額制ではなく日額で計算されます。
園ごとに1日いくらと金額が決まっていて、通った日数分だけ保育料を支払います。
ただ、日本に比べるとオーストラリアの1日の保育料は高いので、幼稚園などでは週2日や週3日などの保育コースが設けられ、費用を抑える家庭もあります。
ファミリーデイケアに関しては、1時間70AUDなどと、1時間ごとの保育料で計算するところも多いです。
そして、保育料の他に、給食費、スクールバス、施設利用料、園への寄付などが別途で発生します。
義務教育期間
オーストラリアの義務教育期間は、幼稚園年長(Prep)~中学4年生(Year10)までの11年間です。
下記のオーストラリア(ビクトリア州)の学校系統図をご覧ください。
(参考:文部科学省 学校系統図 オーストラリア)
特徴2.義務教育の準備学級Prep
義務教育は、義務教育の準備学級Prep(Preparatory Year)からスタートします。Prepは、日本の幼稚園年長にあたります。
シドニーでは、Prepと呼ばずにKindyと呼びます。
Prepの年齢は州によって異なります。例えば、タスマニア州やクイーンズランド州は5歳~、その他は6歳~です。
基本的には小学校の校舎で授業を受けます。
Prepでは、英語、算数、歴史、地理、科学、芸術、体育、テクノロジーなどを学びます。タブレットを使用した授業もあり、小学校でスムーズに学んでいくための基礎作りをします。
カリキュラムについては、下記を参考にしてください。
(参考:オーストラリアンカリキュラム)
オーストラリアの公立小学校
オーストラリアの小学校は、プライマリースクール(Primary School)と呼ばれます。
州によって小学校の期間は異なりますが、多くは小学校1年生(Year1)~小学校6年生(Year6)です。
オーストラリアの小学校の約60%は公立学校で、その他が私立学校となります。
学区制を採用しているので、住んでいる地域の学区内の小学校に入学の願書を提出します。人気の学校は先着順で定員がすぐ埋まってしまうので、早めに学校探しをした方が良いでしょう。
学校では、英語、外国語、算数、理科、社会、技術、芸術、テクノロジー、保健体育などを学びます。
時間割などは、学校の裁量で決められています。また、公立、私立のどちらも制服があり、紫外線の悪影響を防ぐために帽子の着用が義務付けられています。
また、午前中に20分ほどのおやつタイム(各自持ち込み)があるのも、日本とは異なります。
特徴3.各州の裁量でカリキュラムを決める
オーストラリアでは、学習カリキュラムや使用する教科書を政府が決めず、各州の裁量に任されています。
州ごとに学習指導要領が異なり、独自のカリキュラムを作ります。ただ、国が示す教育方針を基準とするので、州ごとに特色は違いますが大きな差はありません。
各州の教育省の指導の下、学校の先生たちが教材を作ったり、カリキュラムを工夫して生徒に教えます。
また、オーストラリアの教師は、詰込み型の教育ではなく、生徒の考える力やプレゼンテーションスキルを身に着けることを促す、ファシリテイター(Facilitator)という役割を担った教育を行います。
ですから、小学校低学年の内から、講義式の授業の他、グループディスカッション、プレゼンテーションなどの授業形態をとることも多いのです。
特徴4.不得意な教科のみの留年がある
オーストラリアの小学校では、ある特定の教科の点数が著しく悪い場合、その教科を留年させるということがあります。
例えば、オーストラリアの小学校1年生の生徒が、算数の成績が他の教科に比べて非常に悪いとします。
すると、2年生に進学する時に子ども、保護者、担任などと話し合いをして、算数だけもう一度1年生の内容を勉強し直す場合があるのです。
日本と違い、オーストラリアは学年について柔軟な考えがあるため、教科の留年は悪いこととは見なされません。むしろ、授業が理解できないのに学年が上がる方が問題という考え方なのでしょう。
特徴5.私立小学校は入学試験がない
オーストラリアの私立小学校には、入学試験がない場合がほとんどです。
学区制でもなく、学費などを支払うことができれば、申し込むことができます。ただし、入学を許可されるには、いくつか優先順位があります。
例えば、兄弟がすでに在籍している、親がその学校のOBであある等。
私立学校には、イギリス系の伝統を持つグラマー・スクール、キリスト教系のミッション・スクール、リベラルな校風の強いパフリック・スクールなどがあります。
全寮制の学校もあり、地方出身者でも入学できます。
私立学校の学費は高額なのが一般的ですが、その分ハイレベルな教育、アフターケア、充実した施設などを理由に、ある程度お金の余裕のある家庭は、私立学校を選択することも多いそうです。
オーストラリアの中学校
オーストラリアの中学校は、ジュニアセカンダリー(Junior Secondary)と言います。
州によりやや異なりますが、一般的には中学校1年生(Year7)~中学校4年生(Year10)です。
オーストラリアの公立の中学校も、学区制度を採用しています。そのため、住んでいる地域の学区内の中学校に進学します。
ただ、小学校卒業の時にテストがあり、そのテストで優秀な成績を収めた生徒は、Selected Schoolと呼ばれる優秀な生徒が集まる公立中学校に進学することができます。
オーストラリアの私立の中学校は、学区制ではなく、学費を支払うことができ、入学条件を満たしていれば、進学することが可能です。
しかし、人気校の場合は小学校と同じで応募が殺到するので、早めの準備が必須になります。
オーストラリアでは、義務教育が終わる最後の年(Year10)に、今までの学業成績が記載された義務教育修了証を受け取り、義務教育が終わります。
高校への進学を希望する生徒は、Year10の終わりまでに高校で学ぶ履修科目を登録する必要があります。
義務教育後の2つの進路
義務教育が終わった後の進路は、次の2つです。
シニアセカンダリー:大学進学を目指す高校
TAFE:公立の専門学校
1つが、大学進学を目指すための高校であるシニアセカンダリー(Senior Secondary)。
もう1つが、公立の専門学校であるTAFE(Technical and Further Education)です。
オーストラリアの高校
オーストラリアの高校であるシニアセカンダリーは、2年制(Year11~12)が一般的です。
高校では、英語、数学、社会、理科、環境、科学、美術、技術、第2言語、保健体育などを学びます。
授業は必修科目を除いて選択制のため、日本の3年A組のような自分のクラス(ホームルーム)というものはありません。生徒は廊下に設置されたロッカーを使用します。
授業の成果やテストによって、A~Eの5段階などの評価がつけられます。これらの成績をもとに、大学入試などの時に必要なOP(Overall Position)が算出されます。
また、高校を無事に卒業すると、高校の卒業証明書で9年間有効の Queensland Certificate of Education(Year12 Certificate)を取得できます。
特徴6.工業高校や商業高校はない
オーストラリアの高校の特徴は、日本のように普通科、工業高校、商業高校などに分かれていない点です。
生徒は、自分で選んだ科目によって、将来の進路を決めなければなりません。
もし、日本の工業高校で学ぶ電気、機械、ITや、商業高校で学ぶ会計や簿記などの授業を取得したい場合は、他の学校の授業を受ける必要があります。
Year12 の後半には、各州が実施する統一試験であるQCSテスト(Queensland Core Skills Test)を受けます。その試験の成績と、定期テストや課題などの高校の成績によって、志望大学の入学合否が決定されます。
特徴7.日本の大学1年生が受講する一般教養を高校で学ぶ
オーストラリアの高校では、日本の大学1年生になってから受講する一般教養を高校生活で学びます。
そのため、日本で高校を卒業した後にオーストラリアの大学へ進学を希望する人は、事前にまず大学付属カレッジのファンデーションスコース(大学進学のための準備コース)またはディプロマコース(大学1年次に相当する専門課程)に入り、オーストラリアの大学の入学条件である必修科目や選択科目を履修しなければなりません。
公立の専門学校TAFE
TAFEは、州ごとに運営されている公立の専門学校です。オーストラリア全土で、キャンパスは100以上あります。
教育、法律、エンジニアリング、IT、テクノロジー、建築、農業、調理、美容、ビジネスなど幅広い分野の専門指導を受けることができ、社会に出た時の即戦力となる人材を育てます。
TAFEで取得できる資格は、専門分野で必要なレベルの知識やスキルがあることを証明できる公的資格がほとんど。
大学の学士号に次ぐ資格であるDiplomaやAdvanced Diplomaも取得できます。
そのため、TAFEで学んで資格を得た後、大学に編入することも可能です。
また、TAFEから大学に進学した時は、高校から直接進学するよりも大幅に学費が安くなるというメリットもあります。
大学進学率は世界トップクラス
ユネスコ(UNESCO)統計によりますと、オーストラリアの大学進学率は、世界トップクラスです。
実際に2017年度の大学進学率は、ギリシャに次いで2位の121.86%でした。100%を超えるのは、オーストラリア以外の国からの留学生が多いためです。
ちなみに、日本の大学進学率が約55%なので、日本の2倍以上と大きく上回っていますね。
オーストラリアで留学生が多いのは、以下のような理由があるからです。
- 教育の質が高い
- 大学入試がない
- 3年で卒業できる(例外あり)
- 100ヵ国以上の留学生と出会える
- 就労ビザがある
- 留学生のための保護制度がある
- 治安が良い
- 豊かな自然がある
- 温暖な気候で過ごしやすい
このように様々なメリットに加え、日本人が留学する場合は時差も少ない(30分~1時間30分)のも選ばれる理由です。
特徴8.世界大学ランキングで100位以内に6校ランクイン
英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が毎年発表する世界大学ランキング2020年版で、100位以内に入ったオーストラリアの大学は、32位のメルボルン大学や50位のオーストラリア国立大学をはじめとして、全部で6校。
【世界大学ランキング100位以内】
- 32位 メルボルン大学
- 50位 オーストラリア国立大学
- 60位 シドニー大学
- 66位 クイーンズランド大学
- 71位 ニュー・サウス・ウェールズ大学
- 77位 モナシュ大学
ちなみに、日本で100位以内に入ったのは、東京大学の36位、京都大学の65位の2校のみ。
オーストラリアは、37校の公立大学、2校の私立大学にみであり、そのほとんどが大学院を有しています。
一方で、日本は国公立大学が169校(国立82校、公立87校9、私立大学が588校もあります。
また、オーストラリアの人口は約2,500万人で、日本が約1億2,600万と、日本の人口の5分の1。
大学数も人口も日本より圧倒的に少ないにもかかわらず、これだけ優秀な生徒を多く輩出して、オーストラリアの教育の質の高さが分かりますね。
オーストラリアの年間スケジュール
日本と違い、オーストラリアは4学期制(4Term)をとっています。
一般的には、下記のスケジュールとなります。
1学期:1月下旬又は2月上旬~4月上旬
2学期:4月下旬~7月上旬
3学期:7月下旬~9月中下旬
4学期:10月上旬~12月下旬
※大学及び専門学校は2学期制(1月下旬~6月下旬、7月下旬~12月上旬)
オーストラリアの学校年度は、1月下旬から始まり、12月の中旬に終わります。
具体的には、1月下旬から4月上旬までが1学期、4月下旬から6月下旬までが2学期、7月中旬から9月下旬までが3学期、10月中旬から12月中旬までが4学期とされています。
ちなみに、大学は2学期制で、1月下旬から6月下旬までが1学期、7月下旬から12月下旬までが2学期とされています。
また、州によって多少の違いはありますが、学期の合間に約2週間から3週間の長期休暇があります。
オーストラリアの長期休暇はこちら。
秋休み:4月上中旬~4月中下旬(約2週間)
冬休み:7月上旬~7月中旬(約2週間)
春休み:9月下旬~10月中旬(約2週間)
夏休み:12月中旬~1月下旬(約5~6週間)
長期休暇は、年に4回あります。
ただ、長いのは夏休みだけで、他は2週間程度と短めです。
オーストラリアでの長期休暇の過ごし方としては、海外旅行に行く以外は、国内でのんびりと過ごす生徒が多いようです。
夏はお弁当を持ってピクニックに出かけたり、バーベキュー、キャンプ、サイクリング、サーフィンをし、冬はスキーやスノーボードなどをします。
オーストラリアの公立学校の学費
オーストラリアの公立学校では、オーストラリア国籍や永住権を持っていれば、義務教育期間内の州立校の学費は無料です。
つまり、5歳児を対象とした就学前教育(PrepまたはKindy)から中学校を卒業する(Year10)まで無料です。
オーストラリア国籍や永住権を持っていない場合は、授業料は有料です。ビザの種類や州によって、授業料の割引率が変わります。
滞在資格 | 小学校学費/月 | 中学校学費/月 | 高等学校学費/月 |
---|---|---|---|
オーストラリア国民 永住権保持者 | 無料 | 無料 | 無料 |
親がビジネスビザ所持 | 約3万~5万円 | 約4万~7万円 | 約5万~9万円 |
親が学生ビザ所持または 子どもが学生ビザ所持 | 約6万~10万円 | 約8万~12万円 | 約10万~13万円 |
※1オーストラリアドル(AUD)=80円で計算。
子どもが長期で学校に通う場合の授業料の割引については、次の2つがあります。
1つ目が親がビジネスビザを持っていて、一緒に滞在している子どもが学校に通う場合。
2つ目が親が学生ビザを持っていて、一緒に滞在する子どもが学校に通う場合か、子どもが学生ビザを持っている場合。
親がビジネスビザを持っている場合の方が、授業料は安いです。
ちなみに、多くの学校で授業料は年々上がっているようです。
また、全ての生徒が授業料の他に、教科書代、給食費、運動系プログラム(水泳など)受講費、スクールバス、その他雑費などの費用がかかります。
他の国に比べると、公立学校でも学費が高額な印象ですね。しかし、オーストラリアのハイレベルな教育を受けられると思えば、将来的にはオーストラリアで学んで良かったと言えるのではないでしょうか。
オーストラリアの私立学校の学費
日本人が私立学校に通う場合、一般的な私立学校、日本人学校、インターナショナルスクール(インター)の3種類あります。学費は次の通りです。
学校 | 小学校学費/月 | 中学校学費/月 | 高等学校学費/月 |
---|---|---|---|
私立学校 | 約15万~25万円 | 約18万~29万円 | 約20万~33万円 |
日本人学校 | 約4万~7万5千円 | 約4万~7万5千円 | ー |
インター | 約25万~ | 約30万~ | 約30万~ |
※1オーストラリアドル(AUD)=80円で計算。
オーストラリアの場合、公立学校の学費が高いので、私立学校はさらに高額になります。
私立学校は、授業料が月額15万円以上で、高いところですと25万円以上する学校もあります。
ただ、公立学校よりもカリキュラム、生徒、教師などの質が総じて高いので、お金にある程度余裕のある家庭は私立学校に子どもを入れることも多いようです。
日本人学校
オーストラリアには、日本人学校がシドニー、パース、メルボルンに1か所ずつ合計で3校あります。
学費は、公立学校よりも安いですが、中学校までしかないので、高校へ進学を希望する生徒は新たな学校を探さなければなりません。
授業料は、他に入学金、施設利用料、スクールバス代、遠足や行事代、制服代、教材費などがかかります。
インターナショナルスクール
学費が高額なのは、やはりインターナショナルスクールです。
オーストラリアには、シドニー、メルボルン、キャンベラなど各地に、全部で約25校のインターナショナルスクールがあります。
学校にもよりますが、小学校、中学校、高校と、いずれも月額で25万円~30万円以上の授業料を支払わなければなりません。
全寮制のボーディングスクールになりますと、学費の他に月額で20万円以上必要です。
さらに、私立学校と同じように、施設利用費、制服代、スクールバスの費用、行事代、補習授業の費用、学校への寄付など様々なお金がかかります。
オーストラリア教育その他の特徴
オーストラリアの教育には、日本と比べて他にも特徴があります。
- 自主性を第一とする教育方針
- 教育資格システム AQF
順番に見ていきましょう。
特徴9.自主性を第一とする教育方針
日本で小学校に入学後すると、まず最初に、授業中は椅子に座って静かに先生の話を聞くなどの授業態度を指導します。
ですが、オーストラリアの小学校(プライマリ)では、授業中も生徒達が立ち歩いたり、 挙手せず自由に発言するのが通常の授業風景です。
これは、生徒たちの自由を尊重し、それぞれの個性や意見をどのように応用していくかという、自主性を第一とした教育方針が背景にあるからです。
生徒たちは各自でしっかりと意見を持ち、それを基にクラスメイトと話し合います。
幼少教育の頃からこのような自主性を育み、専門学校、大学に進学した時に最大限発揮できるよう考えられた教育システムは、オーストラリア教育の最大の特徴であると言えます。
特徴10.教育資格システム AQF
オーストラリアには、AQF(Australian Qualifications Framework )という独自の教育資格システムがあります。
これは、オーストラリア国内で修得した学位や資格は、 オーストラリア国内であれば別の学校でも認められるというシステムです。
日本では大学入学後、別の専門に移りたくなったり、よりレベルの高い学問を学びたくなったりした時に、別の大学に編入学をするのは簡単ではありません。
そのため、日本のように、編入の際に試験などが必要になる事はほとんど無く、学生達はフレキシブルに進路を選んで進むことができます。
オーストラリアのその他の学校生活
給食
オーストラリアには、給食制度はありません。
多文化社会で、様々な宗教の学生が集まるため、日本のように皆で同じ昼食をとるということが難しいのです。
そこで、オーストラリアでは毎日お弁当を持参するか、生徒の親達が手作りのポテトやミートパイを販売しているお店で購入します。
お弁当と言っても、日本のように白米とおかず+デザートと言うようなちゃんとしたお弁当ではなく、りんごやにんじん丸々1個であったり、缶詰のスパゲティーをそのまま持参したりと、簡単に済ませるのが定番のようです。
食べる場所も、校舎の外でピクニックのように食べたりと、日本とは全く異なります。
放課後の過ごし方
オーストラリアの学生は、ダンスやバレエ、サッカーなどアクティブな習い事に時間を費やす学生が多いようです。
1番人気の習い事は、オーストラリアを代表するスポーツの1つであるスイミングです。
スイミングは、生後6ヶ月から始めることができます。
オーストラリアでは、自宅にプールがある家も多く、ビーチも身近なものであるため、子供の水難事故があとをたちません。
スイミングを習わせる親が多いのは、そのような理由も大きいようです。
まとめ
ここまで、オーストラリアの教育制度について紹介してきました。
日本と比べると、オーストラリアでは様々な違いがありましたね。最後に簡単にまとめてみました。
- 義務教育期間が11年と長い
- 州にカリキュラムの裁量を委ねている
- 工業高校や商業高校がない
- 大学進学率が世界トップクラス
- 教育は自主性を第一とする
- 教育資格システムAQFがある
オーストラリアの義務教育は、小学校入学前の準備学級から始まり、11年と日本よりも長いです。また、カリキュラムな州ごとに裁量が委ねられていましたね。
また、高校には工業高校や商業高校がなかったり、大学進学率は100%以上と世界トップクラスで、非常に留学生が多いです。
それは、教育の質の高さはもちろん、入試がなかったり、治安が良かったりと、オーストラリアで勉強を学ぶメリットがたくさんあるからですね。
また、自主性を第一と考える点やオーストラリア独自のAQFというシステムも特徴的でした。
以上がオーストラリアの教育制度と特徴でした。
もし、子どもを連れてオーストラリアに住むことになったり、子どもが留学したいといってきた時に、参考にしていただけたら嬉しいです。